接客業の現場で、スニーカーやパンプスを履いて足が痛い、血が出るなど、仕事どころか痛い足を気にしていることが大きな問題となっています。
このような女性の声が、なかなか会社側には伝たわらないことも問題の一つとなっています。
今回は、その現状やその改善に踏み切ったドコモについての紹介をしていきます。
目次
仕事中のヒールやパンプスはなぜ必要なのか
ヒールやパンプスを履いて、仕事をしている女性は数え切れない、というよりほとんどの職場では、このヒールやパンプスを履いて仕事をしなければならないという状況下で一生懸命に働いていることでしょう。
しかし、このヒールなどを履くことで、女性からは数々の意見が出てきていることも確かなのです。
やはり、「靴の指定を無くして欲しい」というのが、女性陣からの切なる願いでありますが、「ヒールなどを履くことが嫌なら辞めればいいじゃないか」という心ない言葉をかける企業も存在しています。
ここで、リアルな女性たちの声を紹介します。
『女性としてヒールは素敵だと思いますが、営業先が喜んでくれるという目的でピンヒールを渡されたときはかなりのプレッシャーを感じた。上司でもある社長からの勝手な好みを押しつけられる始末で結局、会社を辞めた・・・ヒールを履くことで、成績がUPすることはただ、女性をホステスとしかみていない:35-39歳、自営業・自由業』
『ヒールやパンプスは単純に健康に悪いから納得できなかった:40代以上、教育・学習支援業』
『履ききれない状態だったので、相談したもののわがままだ、と言われた。足が変形し、頭痛、腰痛発症したことで会社を辞めた・・・足が血まみれになっているのにマナーだとは思わない:25-29歳、卸売業・小売業』
といったように、ヒールやパンプスの着用を進める企業に対しての訴えを起こしていました。
しかし結局、女性たちは余儀なく辞めていくという選択肢をとっています。
ヒールやパンプスに対しての相談をすることで、改善されたということもあります。
ですが、これには「限定的なことやケガをしてから」などの条件がある上での承認となっています。
この内容としての女性の声を聞いてみましょう。
『上司などに抗議をしたが、君だけを特別扱いにはできないといわれたので、職場の女性全員で働き安い靴で出社し、就業規則の女性の靴に関しての項目が消えていた:40代以上、生活関連サービス業・娯楽業』
『裏方の仕事であったので、接客とは異なるためオフィスサンダルを希望したら、特定フロア内のみの使用は許された:30-34歳、金融業・保険業』
『パンプスは嫌だったので、勝手にバレエシューズを履いて仕事をしていたが、特に、何も言われなかった。他の仲間にはパンプスを履いている人もいた:25-29歳、情報通信業』
『足のケガを理由に、フラットシューズでの作業の承認を得た: 30-34歳、その他サービス業』
という感じで、会社によっては認め方は様々となっています。
これらの意見を見るだけでもいかに女性が、企業側からのヒールやパンプスの押しつけに困っているのかが分かります。
仕事中のヒールやパンプスのついての女性アンケートには当然の結果が!
Business Insider Japanが女性に対して、アンケートをインターネットで行っています。
1229人中761人が、「職場や就活など、ハイヒール・パンプスの着用を押しつけられた(強要された)または、その現場を見た」というアンケートに対して6割の人が「はい」と回答しています。
ない方は「 423人」となっています。
そして、押しつけられた(強要された)と答えた人の中で、 585人の76%の人が、ハイヒール・パンプスの強要に対して反抗的な見方をしています。
さらに、この「強制された」という内容も見ると、
「マナー講座などに参加し勉強し、その指導に従っていた」が『396人』
「上司などから口頭でヒールやパンプスなどを履くように指示された」『275人』
「就業規則などに明記され、自然に従うことになっていた」が『264人』
という結果になっています。
この結果を見ると、すでに習慣として根付いていたことが一番多いものでした。
ですので、今後は女性が働きやすい環境を作るためにも、この習慣を改めていく必要に思います。
仕事中のヒールやパンプスはNGと声を上げられないのか
グラビア女優でライターの石川優実さんが立ち上げた署名がありますが、女性に対してのヒールやパンプス強制は「性別差別」ではないか?と厚生労働省に法規制を求めている事実もあります。
現場では、NGと言えないのでしょうか。
「就業規則などに明記され、自然に従うことになっていた」が『264人』の内の198人は、反抗的でありながらも、 119人は「仕事を失いたくないから」とか「会社のクライアントさんの指示があり、立場を考えると反抗できない」などさまざまな意見があることで、会社側にヒールやパンプスの排除を訴えることはできないでいます。
では、そのような女性たちはどんな工夫をして、いつも仕事をしているのでしょうか?
具体的には中敷を入れたり、絆創膏を貼る努力をして、お客様に見られない場所(駅など)で履き替えるなど自分自身で工夫をしています。
ですので、靴にどれだけお金を使ったのかが分からないと苦労話をする人もいるようです。
しかし、そんな工夫も効果は出ずに、悪化していく一方で、「外反母趾」、「爪が割れる」、「出血する」といった症状が増えています。
ですので、これらのの症状を我慢してヒールやパンプスを履き、仕事をするのですから、悪くいえば、拷問に等しいといってもいいでしょう。
ドコモが仕事中にヒールをやめてスニーカーでもOKと認める
2020年の秋にNTTドコモは全スタッフの制服の見直し、刷新することを決めました。
現状では、女性スタッフには、「3.5センチもしくは6.5センチ」の高さのヒールを義務付けていましたが、これからは、スニーカーでも問題なく業務をしてもいいという形をとりました。
これは、女性にとっては非常にありがたい改善になったので、さらに働きやすい環境になっていくのではないでしょうか。
もともと同社は約4年ごとに制服の見直しを行っており、 広報担当者は「長時間のヒールは疲れます」などの現場の声を聞いており、常に検討をしていたといいます。
その流れが、今回のスニーカーへの移行になりました。
また、ヒールなどの問題だけでなく、もともと、女性にのみ制服の義務付けをしていたが、
男女共に、カジュアルな制服にも移行しています。
もちろん、男性もスニーカーの勤務の承認もされています。
ちなみに 4月から都内の店舗ではテストが行われ、動きやすいかどうかなどを検証しています。
ネット上では、このドコモの行動に対して、賞賛している人も多い反面、「スニーカーの強制ではないか?」という批判的な意見も出回っているのも事実です。
しかし、今後、「パンプスがいい!」という人もいるので現場の声を聞きながら、多様な工夫をしていくという結果になっています。
まとめ
仕事中の女性の悩みは尽きないものです。
今回は、スニーカーバンプスでのトラブルについて紹介しましたが、その改善として、ドコモがスニーカーへの移行を決める運びとなりました。
今後、たくさんの企業が女性を大切にする工夫して、よりよい職場環境への改善を願うばかりです。